南宮崎ヤマモト腎泌尿器科のブログ

当院での日々の出来事や院長のコラムを紹介しております!

今回のテーマは遊走腎です。

もともと腎臓は体の向きや呼吸により生理的範囲内で移動しています。

 

生理的範囲をこえて下がりすぎた状態が遊走腎です。

 

原因は腎臓周囲の脂肪や筋肉が少なく腎臓が支えられないことが挙げられます。

 

このためやせた女性が多いのが特徴です。

 

症状は長時間立ち続けると脇腹や背部痛、腰痛が出現し、横になり安静にすると軽快するのが特徴です。

 

自覚症状がなく職場や学校検診などで血尿やたんぱく尿を指摘され診断されることもあります。

 

当院ではレントゲン検査やエコー検査で立っているときや寝ている時の腎臓の位置や移動を確認します。

 

遊走腎がある場合は、水腎症の有無を確認します。

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水腎症とは腎臓から尿の出口を通過する間に障害がおこって腎機能が低下する病気です。

 

水腎症を放置するとさらに悪化し腎不全や尿毒症を発症することがあり注意が必要です。

 

症状がなければ治療不要ですが、まずは正確な診断が必要です。

 

原因不明の血尿やたんぱく尿がある方、ぜひ当院にご相談ください。

 

前回ご紹介したナットクラッカー現象もしくは遊走腎が存在する可能性があります。

 

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